夜光の階段

主題歌  藤木直人「CRIME OF LOVE」

第1話あらすじ(ネタバレ)

「野望」
 ある春の雨の日、美容室『ムラセ』では店主・村瀬進太郎(渡辺いっけい)の罵声が響いていた。客に高級時計を贈られた美容師の佐山道夫(藤木直人)をホストのようだとなじっているのだ。実際、道夫には女心をくすぐる美貌と、客を満足させる美容師としての腕が備わっていた。そんな道夫に吸い寄せられるように、枝村幸子(木村佳乃)が店に入ってくる。たった今、店先で男と別れたばかりの幸子だったが、その心はすでに道夫に魅せられていた。だが、幸子が『女性回廊』の編集者だと知るや否や、村瀬は自分が担当すると言い出す。
 編集部に戻った幸子は、友人で『フラッグ』編集者の福地フジ子(夏川結衣)に、新しい髪型が気に入らないと愚痴をこぼしていた。だが、やり直してもらうと幸子が出した道夫の名刺を見たフジ子は、なぜか顔を強張らせる。

 同じ頃、東京高等検察庁では、検事の桑山信爾(小林稔侍)が、5年前に九州で起きた殺人事件の犯人が病死したとの一報を受けていた。犯人の名は蓮田重男。藪の中で女性を絞殺した罪で、当時福岡地方検察庁にいた桑山が起訴したのだが、自供を得ることも、刑事責任を問うこともできなかった。蓮田の死に衝撃を受ける桑山に、同僚の丸岡房江(余貴美子)は「他に容疑者がいたのでは?」と問う。否定する桑山だったが、事件後、福岡から姿を消したという美貌の青年の存在があったことを房江に打ち明ける。
 数日後、道夫は福岡にいた。以前よく出向いた川辺で物思いにふける道夫の脳裏には、少年のころの記憶がよみがえる。闇夜を照らす燃え盛る炎、その炎にまとわりつく蛾や蝶が、やがて火柱の中に落ちていく……。

 帰京後、道夫は新人ヘアデザイナーのコンクール用のヘアスタイルを完成させる。自らの記憶にインスピレーションを得た、炎のように赤いヘアスタイル。タイトルは“夜光”。村瀬も認める完成度の高さに道夫は自信を深めるが、受賞を逃してしまう。賞を取るには、実力以上に権力と金が必要と痛感した道夫は、興味を示していたはずの幸子を冷たく突き放すと、社長夫人で自分に入れ込んでいる客・波多野雅子(室井滋)との距離を縮めていく。その胸には、雅子の出資で自分の店を持つという野望があった。だが、独立を疑う村瀬の妻・みな子(荻野目慶子)には、「裏切るようなことはしません」と忠誠を誓うのだった。
 ある日、雅子と一緒に自由が丘の物件を見に行った道夫は、置いてあった写真週刊誌の記事を見て凍りつく。その記事には、桑山が5年前に担当した殺人事件のことが書かれていた。雅子が止めるのも聞かずに走り出した道夫は、昨夜、幸子がメールで指定してきた待ち合わせの店へと向かう。そして、なぜか幸子への態度を急変させ、愛を語るという第三の顔を見せるのだった。

 バーで飲んだ帰り、幸子のマンションに招き入れられた佐山は、部屋にもう一人いることに気づく。中性的な雰囲気を漂わせるフジ子だった。佐山を見て顔色を変え、震えながら部屋を出て行くフジ子。佐山はそんなフジ子を気にも留めず、豪華な部屋の中に見入る。室内には有名人の絵画や書が飾られ、向上心を刺激された佐山は、幸子を抱き寄せる。表通りからは、幸子の部屋の明かりが消えるのを、硬い表情でフジ子が見つめていた。
 事が終わり、シャワーを浴びた幸子に「ここへは二度と来ないで」と冷たく追い出された道夫は、帰り道で検問中の警察官に呼び止められるが、フジ子の登場で、すぐに解放される。フジ子は道夫の後ろを歩きながら、意味ありげにつぶやく。「いま、一人の殺人犯が追われている。かなり以前のことだった。その時の犯人は追われていない……」その言葉に、思わずフジ子の顔を凝視する道夫で……。

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出演者 キャスト

佐山道夫  藤木直人
枝村幸子  木村佳乃
福地フジ子 夏川結衣
村瀬進太郎 渡辺いっけい
村瀬みな子 荻野目慶子
岡野正一  石井正則
岡野和子  三浦理恵子
桜田健   高知東生
桑山亜希  田丸麻紀
丸岡房江  余貴美子
波多野雅子 室井滋
桑山信爾  小林稔侍

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