不毛地帯

主題歌  坂本龍一「未定」

第15話あらすじ(ネタバレ)

石油開発に乗り出した壹岐正(唐沢寿明)と兵頭信一良(竹野内豊)は、イランのサルベスタン鉱区が売りに出されるという情報をどの商社よりも先に入手した。その情報を元に、壹岐たちは日本石油公社総裁の貝塚道生(段田安則)に会い、近畿商事の単独入札と、開発資金援助の内諾を得る。それを知った東京商事の鮫島辰三(遠藤憲一)は、近畿商事の単独入札を阻止するために五菱商事、五井物産と手を組み、貝塚に圧力をかけた。その結果、サルベスタン鉱区は、近畿商事、東京商事、五菱商事、五井物産の四社連合で入札することになった。だが、他社がそれぞれ30%の出資比率であるのに対し、近畿商事だけが10%という屈辱的な決定が下されてしまう。
貝塚の決定に激怒した壹岐は、日本石油公社とは手を組まずに今回の入札に挑むことを決意。技術力と資本力を持つ海外の石油開発会社を探した壹岐たちが目を付けたのは、米の独立系石油会社・オリオン・オイル社だった。

ある夜、クラブ『ル・ボア』を訪れた壹岐は、黄紅子(天海祐希)と再会する。近畿商事が石油ビジネスに乗り出すという情報をすでに聞きつけていた紅子は、親交があるイランの前王妃からも、近畿商事について尋ねられたという。その席で、紅子がオリオン・オイル社のリーガン会長(チャールズ・グラバー)と面識があることを知った壹岐は、仲介役を頼んだ。それを引き受けた紅子は、来月、リーガン会長が夫の黄乾臣(石橋蓮司)に会いに来る際に、兵頭とともにジャカルタに来るよう告げる。

一方、仕事に復帰した副社長の里井達也(岸部一徳)は、社長の大門一三(原田芳雄)から石油開発の件を相談される。里井は、日本石油公社グループから離脱して海外の会社と組むのは非常識だとし、失敗すれば会社の屋台骨を揺るがし、大門の進退にもかかわる、と主張する。

ジャカルタの黄邸を訪れた壹岐と兵頭は、リーガン会長に会い、サルベスタン鉱区入札に関し、パートナーシップを結ぶ約束を取り付ける。次の問題は、100億円に及ぶ開発資金の確保だった。壹岐たちは、社内の反対勢力を抑えるために極秘で動き始めた。壹岐たちは、財務本部長の武蔵稔(中原丈雄)、鉄鋼担当専務の堂本重人(浅沼晋平)をシンガポールに呼び、賛同を得る。里井の命令を受けて壹岐たちの動向を探っていた業務本部長の角田保(篠井英介)は、そうした動きを掴むことができずにいた。

帰国早々、壹岐は、アメリカ近畿商事時代の部下・海部要(梶原善)と、壹岐のアパートのメイドを務めていたハル江(吉行和子)の訪問を受ける。海部は出張で、ハル江はたまたま里帰りでともに帰国していたのだという。そこにやってきた角田は、わざわざ妻に作らせた和食を壹岐に届けにくる。壹岐は、礼を言ってそれを受け取った。

壹岐たちがハル江の作った夕食をとっていると、秋津千里(小雪)から電話が入る。千里は、日本陶芸展の打ち合わせで上京していた。その際、壹岐のアパートを訪ねる約束をする千里。
電話の相手がNYのアパートに泊まった女性だと察したハル江は、海部を連れて壹岐の部屋を後にする。そこに再び千里から電話が入る。ガス窯が故障したので夜行で京都に戻らなければならないため、壹岐のもとに行けなくなった、という電話だった。それを聞いて、ガス窯の故障くらいで帰ることはない、と言ってしまう壹岐。千里は、そんな壹岐に、自分はいつも仕事を優先するのに私の仕事には理解がない、といって電話を切ってしまう。

あくる日、近畿商事では、社長の大門以下、役員たちが顔をそろえ、経営会議が開かれる。議題はもちろん石油開発とオリオン・オイルとの提携についてだった。会議は、予想通り壹岐と里井が激しく衝突した。が、堂本や武蔵だけでなく、角田までもが壹岐を支持する。激高した里井は、真珠湾攻撃の話まで持ち出し、壹岐を非難した。それに対して壹岐は、だからこそかつて武力で得ようとした石油を日本の将来のために平和な形で得ようとしている、と返す。そうしたやり取りを聞いていた大門は、リスクのないところには利益も繁栄もない、として、社運をかけて石油開発に取り組むことを決意する。
会議の後、壹岐は、大門にあることを頼む。それは、里井の排除だった。あくる日、里井を呼び出した大門は、タクボ工業の社長に就任し、その経営を立て直すよう命じた。突然の話に混乱し、壹岐に騙されないでください、などと声を荒げる里井。大門は、そんな里井に、遺言状の話を打ち明ける。ここ10年の間、大門は、万が一自分の身に何かあった場合のことを考え、毎年元旦に遺言状をしたためていたのだという。その10回とも、後継者には里井の名前を書いた、というのだ。もしこの内示が受けられないのなら辞めてもらうしかない――大門はそう言って社長室を後にした。ひとり残された里井はただ泣き崩れ…。

大門が壹岐を同行させて向かったのは、自由党幹事長・田淵(江守徹)の邸宅だった。そこで大門たちは、近畿商事がオリオン・オイル社と組んでイラン・サルベスタン鉱区の国際入札に参加することを報告し、田淵にその後ろ盾を頼んだ。

そんな中、壹岐は、谷川正治(橋爪功)とともに、舞鶴の五老ヶ岳を訪れる。谷川は、シベリア抑留者が帰還した舞鶴港を見渡せるこの場所に、シベリアで死んでいった仲間たちのための慰霊碑を建てようと決意していた。そこで壹岐は、最後の仕事として石油開発を手がけることになったと谷川に報告する。石油が国家の生命線であることを知る谷川は、戦争で亡くなった者のために必ずやり遂げるよう、壹岐を激励した。

ほどなく、近畿商事が日本石油公社グループを離脱した件が新聞各紙で報じられた。が、その内容は近畿商事を厳しく非難するものばかりだった。
(公式サイトより引用)

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出演者 キャスト

壹岐正   唐沢寿明
壹岐佳子  和久井映見
壹岐直子  多部未華子
壹岐誠   高橋平
川又伊佐雄 柳葉敏郎
貝塚道生  段田安則
芦田国雄  古田新太
久松清蔵  伊東四朗
田原秀雄  阿部サダヲ
浜中紅子  天海祐希
鮫島辰三  遠藤憲一
谷川正治  橋爪功
竹村勝   中丸新将
秋津紀武  中村敦夫
秋津清輝  佐々木蔵之介
秋津千里  小雪
大門一三  原田芳雄
里井達也  岸部一徳
兵頭信一良 竹野内豊
松本晴彦  斉木しげる
小出宏   松重豊
海部要   梶原善
塙四郎   袴田吉彦

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