不毛地帯

主題歌  坂本龍一「未定」

第12話あらすじ(ネタバレ)

千代田自動車との間で新たな合弁会社を作るという近畿商事の提案に興味を示したフォーク社は、日本に覆面調査団を派遣する。千代田自動車の経営状態を調査するためだった。
壹岐正(唐沢寿明)は、調査団の責任者で、海外企画担当マネージャーのアーリックマン(ブレット・コールマン)が来日していないことに気づき、その行方を追っていた。ほどなく、調査団を出迎えるために帰国していた八束功(山崎樹範)から連絡があり、アーリックマンは、ホノルルでメルボルン行きの飛行に乗り換え、オーストラリアに向かったとの情報が入る。フォーク社側の説明によれば、オーストラリア・フォークで緊急事態が発生したためだという。不安を拭い去れなかった壹岐は、塙四郎(袴田吉彦)に、近畿商事の支店網を使ってアーリックマンが本当にオーストラリアにいるかどうか調べるよう指示する。
一方、副社長の里井達也(岸部一徳)と業務本部長の角田保(篠井英介)は、フォーク調査団を案内する販売店のリストを八束に渡す。それは、千代田自動車の販売店の中でも、比較的経営が安定している店を選んだものだった。フォーク社が事前調査に基づいて販売店を指定してくることを危惧した八束は、調査団メンバーの経歴だけでも調べておくべきではないか、と里井たちに進言した。しかし里井は、壹岐に何を言われたかは知らないが口を挟むな、と八束に言い放つ。

あくる日、里井たちは、調査団メンバーとの会合に臨む。その席で、調査団のラディ(エリック・ボーシック)は、里井たちが提示した販売店リストを拒否し、自分たちが用意してきたリストを提示する。すでに彼らは、独自の情報を元に、経営が悪化している販売店をリストアップしていた。

同じころ、壹岐は、海部要(梶原善)からの報告で、フォーク調査団が里井たちの販売店リストを拒否したことを知る。そこに飛び込んできた塙は、アーリックマンがオーストラリアに立ち寄った形跡がないことを壹岐たちに伝える。

八束は、調査団のラディを連れて販売店を訪れた。だが、見学を終えたラディは、突然、販売店以外の場所に行きたいと言いだし、八束に、中古車販売店や実際に千代田自動車の車を使っているタクシー会社を案内させる。千代田自動車の車は、どこに行っても不評だった。八束は、それを隠すために必死で嘘の内容をラディに通訳していた。だが、実はラディは、神戸生まれの神戸育ちで、八束がウソを言っていることなど最初からわかっていた。
秋津千里(小雪)は、壹岐の自宅に電話をする。壹岐と話がしたかったのだ。しかし壹岐はまだ帰宅しておらず、電話に出たのはメイドのハル江(吉行和子)だった。壹岐が仕事で忙しくしていることを知った千里は、名前も名乗らずに電話を切った。
同じ日、千里は、比叡山を訪れ、久しぶりに兄の清輝(佐々木蔵之介)に会った。千里は何も言わなかったが、そのようすから何か相談事があるではないかと察した清輝は、筆をとって「共生」<ともいき>という言葉を書いた。仏教の根本は、自分のためだけの生き方ではなく、自分の生き方が他者に感銘を与え、幸せをもたらすことができるという、自他共に生きる共生の心にある、という清輝。「自分の執着、執念だけで動けば、自分を縛すると同時に相手をも縛することになり、共生の世界を失い、修羅の世界に没することになる」。清輝の言葉が千里の心に響いた。

そんな折、里井は、自宅で再び発作を起こす。妻の勝枝(江波杏子)に付き添われて病院を訪れる里井。診断をした医師は、このまま入院するよう里井に勧めた。里井は、会社を休むことには応じたものの、フォーク調査団との会合が終わるまでは社の人間といつでも連絡が取れるよう、自宅療養にしてほしいと懇願する。
医師の了解を得た里井は、車イスに乗ったまま病院を後にした。だが、その姿を、たまたまある入院患者の見舞いでその病院を訪れていた東京商事の鮫島辰三(遠藤憲一)に見られていたことには気づかなかった。

勝枝から連絡を受けた角田は、里井の家を訪れた。勝枝は、角田が里井の心臓病のことを隠していたと知り、怒りをぶつけた。里井は、そんな勝枝を制して、明後日に予定されているフォーク調査団との会合で自分の代わりを務めるよう角田に命じると、発作を起こしたことは誰にも言わないよう念を押す。が、会社に戻った角田は、社長の大門に里井のことを報告してしまう。それを受け、大門は、急きょ壹岐をアメリカから呼び寄せる。

緊急帰国した壹岐は、千代田自動車の常務・小牧徹也(小野武彦)の訪問を受ける。小牧たち千代田自動車の技術部門は、里井の合弁会社設立案に反対していたのだ。
同じころ、角田は、迷いながらも壹岐が帰国したことを里井に報告する。それを聞いて激怒した里井は、病気を押して無理やり出社し、大門と打ち合わせをしていた壹岐にかみつく。合弁会社設立に積極的ではない壹岐がフォーク調査団との会合に出席したら、これまで積み上げてきたものをひっくり返されかねないというのだ。その席で壹岐は、アーリックマンの不可解な行動について言及し、調査の必要性を説いた。しかし里井は、聞く耳を持たなかった。

その夜遅く、壹岐は、千里の自宅に電話する。電話に出たのは千里の元婚約者の丹阿弥泰夫(加藤虎ノ介)だった。壹岐は、男が電話に出たことに驚きながらも、明日の夜、千里と会う約束をする。

壹岐がとある小料理店を訪れると、そこに鮫島の姿があった。すぐに壹岐に気づき、隣席に招く鮫島。そこで鮫島は、フォーク社の話を切り出し、壹岐のようすをうかがった。壹岐は、表情こそ崩さなかったが、鮫島が里井の健康状態までつかんでいることを知り、驚いていた。

翌日、里井は、角田や八束らとともに、フォーク調査団の接待をする。一方、壹岐は、千里に会うためにあるホテルを訪れる。そこで壹岐は、国際ロビイストの竹中莞爾(清水紘冶)に偶然出会う。竹中は、石油部長の兵頭信一良(竹野内豊)の名前を出し、中東の石油に関していい話があるから一度連れてくるよう壹岐に告げた。

壹岐は、竹中を警戒しながら千里の部屋を訪ねた。昨夜、電話に出たのが泰夫だったことを知った壹岐は、ふたりの関係は理解し難い、と千里に告げる。「壹岐さんにあれこれ言われる筋合いはないはずです。私たちは夫婦じゃあるまいし…」と反発したものの、久しぶりの再会にも関わらず口論してしまったことの愚に気づいてすぐに謝る千里。壹岐は、そんな千里を抱きしめた。
あくる日、里井たちは、フォーク調査団との最終会合に臨んだ。そこには、アーリックマンの姿もあった。そのアーリックマンから、合弁会社設立を前向きに検討する、という回答を得た里井は、大門に喜びの報告をした。だが、不安を拭うことができない壹岐は、毎朝新聞社の田原秀雄(阿部サダヲ)と極秘で会うことにする。壹岐は、近畿商事の情報を提供することを約束し、田原から話を聞く。実は、アーリックマンは1週間前から来日しており、田原はずっとその動きを追っていたのだという。その間、アーリックマンと行動を共にしていたのは鮫島だった。

壹岐は、ただちにそのことを大門に報告した。するとそこに角田が飛び込んできた。自由党の田淵幹事長(江守徹)から、大門に聞きたいことがある、という呼び出しの電話があったというのだ。大門は、壹岐を同行させて、田淵の邸宅を訪れるが…。
(公式サイトより引用)

DVD-BOX、関連商品

出演者 キャスト

壹岐正   唐沢寿明
壹岐佳子  和久井映見
壹岐直子  多部未華子
壹岐誠   高橋平
川又伊佐雄 柳葉敏郎
貝塚道生  段田安則
芦田国雄  古田新太
久松清蔵  伊東四朗
田原秀雄  阿部サダヲ
浜中紅子  天海祐希
鮫島辰三  遠藤憲一
谷川正治  橋爪功
竹村勝   中丸新将
秋津紀武  中村敦夫
秋津清輝  佐々木蔵之介
秋津千里  小雪
大門一三  原田芳雄
里井達也  岸部一徳
兵頭信一良 竹野内豊
松本晴彦  斉木しげる
小出宏   松重豊
海部要   梶原善
塙四郎   袴田吉彦

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